複数ベンダー体制の基幹リプレイスを、要件定義から保守運用まで一気通貫で推進。食品製造業の基幹リプレイスプロジェクト マネジメント事例
はじめに
基幹システムのリプレイスは、企業にとって数年単位の大規模プロジェクトです。複数のシステムベンダーが参画する体制では、業務領域ごとに担当が分かれるため、仕様の解釈ズレやベンダー間の調整不足がプロジェクト遅延の原因になりやすいという難しさがあります。
本記事では、複数のシステムベンダーによる基幹システムのリプレイスプロジェクトにおいて、一部の業務領域の要件定義から保守運用まで一気通貫で推進した事例をご紹介します。プロジェクトチームのマネジメントと、ステークホルダーの連携を重視し、安定稼働と継続的な改善を実現しました。
取り組み内容

購買管理・購買計画領域については、要件定義の段階からチームリーダーとして参画。リリース後も維持・保守および改修案件を継続して担当しています。
そのほか、原価領域の開発や、工場向けのマルチデバイス対応、マスタ設定についても対応しました。
対応範囲と体制
| フェーズ | 対応業務領域 | 体制・期間 |
|---|---|---|
| 要件定義 | 購買 | 最大4名/6か月 |
| 設計・開発 | 購買、生産、原価 ほか | 最大13名/30か月 |
| 保守・運用 | 購買、生産 ほか | 最大6名 |
購買領域ではチームリーダーとして上流から関与し、設計・開発フェーズでは生産・原価領域、さらにマルチデバイス対応やマスタ認定まで幅広く対応範囲を広げています。
マネジメント上の課題と対応
本プロジェクトはコロナ禍でのスタートとなり、お客様を含めて手探りでのプロジェクト運営を強いられました。対面での認識合わせが難しい環境下で、以下の施策を徹底しています。
- オンライン会議ツールの積極的な活用
- より細かな進捗確認と課題共有の徹底
- 開発手順やTips、障害の類似事例を収集し、文書化および集合知化
特に3点目は、属人化を防ぎ、長期プロジェクトの中でメンバーが入れ替わっても品質を保つうえで重要な取り組みです。
使用した管理ツール
- Backlog
- Microsoft Teams
- ZOOM
- Subversion(SVN)
- WBS、課題管理表等(Excel)
要件定義から運用まで、一貫対応による安定したプロジェクトマネジメント
本事例の成果は、上流から運用まで同じチームが継続して関与したことによるものです。
- 業務理解に基づいた要件定義や、現場の負担を抑えた移行計画の検討・提案
- 外部ベンダーとの調整も当社が窓口となり、制約や技術的課題を円滑に解決
- 要件定義の背景や意図を把握したメンバーが維持保守まで携わり、仕様の解釈ズレや漏れを防止
- リリース後の障害対応や改修要望に対しても迅速に意思決定・調整が可能
複数ベンダー体制では、フェーズごとに担当が入れ替わることで「なぜこの仕様になったのか」が失われがちです。要件定義時の議論を知るメンバーが保守まで残ることで、この情報のロスを防いでいます。
まとめ
本事例のポイントは以下の3点です。
- 購買領域では要件定義からチームリーダーとして参画し、設計・開発・保守運用まで一気通貫で推進
- コロナ禍という制約下でも、オンライン活用・細やかな進捗共有・ナレッジの文書化によりプロジェクトを安定運営
- 上流の意図を理解したメンバーが保守まで継続関与することで、仕様のズレを防ぎ、リリース後の改善サイクルも迅速化
複数ベンダーが関わる大規模な基幹リプレイスを検討されている企業にとって、参考になる事例です。


