事例

半年ごとの健診・作業環境測定を漏らさない。「特定化学物質障害予防規則」に則った健診対象者・作業環境測定場所特定システム

半年ごとの健診・作業環境測定を漏らさない。「特定化学物質障害予防規則」に則った健診対象者・作業環境測定場所特定システム

はじめに

特定化学物質を取り扱う事業場には、法令によって定期的な作業環境測定と健康診断の実施が義務づけられています。しかし実務では、「誰がどの化学物質をどこで使ったか」という作業実績が正確に把握できていなければ、健診対象者も測定場所も特定できません。

紙やExcelでの実績管理では、集計に時間がかかるうえ、対象者の抽出漏れというリスクも残ります。

本記事では、この課題に対して構築した健診対象者・作業環境測定場所特定システムをご紹介します。

システム概要

特定化学物質障害予防規則に則り、作業環境測定および特定化学物質健康診断の実施漏れ・遅滞を防止するシステムです。

根拠となる法令上の要件は以下の通りです。

特定化学物質障害予防規則

  • 第36条:6ヶ月以内ごとの作業環境測定実施
  • 第39条:6ヶ月以内ごとの特定化学物質健康診断実施

これらを確実に満たすことで、法規則遵守と従業員の健康・安全確保の双方を実現します。

業務フローとシステムの役割

業務フローとシステムの役割

本システムは、従業員、派遣代行者、上長/管理者、専任衛生管理者という関係者それぞれの動きを一つの流れとしてつなぎます。

1. 作業実績の登録

従業員が化学物質を使用した際、作業実績を登録します。従業員本人が登録できない場合は、派遣代行者が作業実績の代理登録を行います。

登録された内容はシステムの実績データとして蓄積されます。

2. 承認プロセス

従業員は承認依頼を行い、代理の場合は派遣代行者が代理承認依頼を実施。専任衛生管理者からの通知を受けて、上長/管理者が確認・承認を行い、承認結果も実績データに反映されます。

3. 健診対象者の特定(半年に1回)

蓄積された実績データをもとに、上長/管理者が健診対象者を特定。システムから健診対象者特定用帳票(PDF)が出力されます。この帳票にもとづいて健診依頼が行われ、従業員が受診します。

4. 作業環境測定場所の特定(半年に1回)

同様に、実績データから作業環境測定場所を特定し、作業環境測定場所特定用帳票(PDF)を出力。測定依頼を経て、専任衛生管理者が測定を実施します。

5. 保管用作業記録の出力(年に1回)

年に1回、保管用作業記録帳票(PDF)を出力・印刷し、保管します。

半年ごと、年ごとという法定の実施サイクルが、そのままシステムの帳票出力タイミングとして組み込まれている点が特徴です。

メリット

作業実績および承認プロセスの一元管理

特定化学物質の使用回数など作業実績の登録・閲覧・検索を簡易化しました。併せて、承認プロセスも一元化することで、承認状況や履歴の把握を容易にしています。

その結果、特定化学物質の使用場所、および特定化学物質健康診断対象者の特定が簡易化されました。

対象者や測定場所の特定は、本来であれば実績を一件ずつ突き合わせる必要がある作業です。

実績データが一元管理されていれば、この特定作業が帳票出力という形で完結します。

まとめ

本事例のポイントは以下の3点です。

  • 特定化学物質障害予防規則 第36条・第39条が定める6ヶ月以内ごとの実施サイクルを、システムの帳票出力タイミングとして組み込み、実施漏れ・遅滞を防止
  • 従業員本人の登録に加えて派遣代行者による代理登録・代理承認にも対応し、作業実績と承認プロセスを一元管理
  • 蓄積された実績データから、健診対象者と作業環境測定場所の特定を帳票出力として簡易化

特定化学物質を取り扱い、法定の健診・測定の管理負担にお悩みの企業様にとって、参考になる事例です。

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